ガス事業会計の科目体系

皆さんこんにちは、SuperStream/400 の導入支援をしていていると、当然いろいろなお客様のところへお伺いすることになります。要望事項や現行の運用方法をお聞きして、新システムのアウト・ラインを想定しながら、「ではマスタの設定から始めましょう」と、現行の組織体系や科目マスタのリストを見せていただきます。

まずは、いただいた組織図を一瞥し、続いて科目のリストを見ます、と、

「え!、現金、預金、がない!」

そう、いただいたリストに、現金や預金が見当たらないのです。

「どういうこと?!」

お客様、曰く、ガス事業の会計は特別で、そんじょそこらの会計とは違って難しいんだと、

「はあ、」

いただいたリストのページを繰っていくと、4~5ページ目にありました。

現金、普通預金、当座預金、、、

ガス会社の経理の方には、当然の如きお話しでしょうが、現金、預金、から始まらない科目体系なんて、、、

「流動性の順番に並べるだろ、普通は!、何なんだこれは、」なんてことを思いながら

いただいた科目マスタのリストを眺めていました。

そうなんです。ガス会社においては、ガス事業会計規則というのがあり、その規則に基づき会計処理を行なうそうなんです。

ガス事業会計規則 別表1 一般ガス事業者の勘定科目表

Ⅰ 固定資産

(1)有形固定資産

   製造設備

    土地

    建物

    ・・・

   天然ガス採取設備

    土地

    建物

    ・・・

   供給設備

    土地

    建物

    ・・・

   ・・・

(2)無形固定資産

(3)投資その他の資産

Ⅱ 流動資産

   現金及び預金

   受取手形

   ・・・

と、なっています。

「ふう~ん、こんな体系や規則があるんだ。」と、少しの驚きと同時に、自分の知識と認識の浅さに、これまた少し反省です。

そして問題は、この科目体系を SuperStream/400 に、どのように実装するか?、ということになりますが、ご安心ください。

SuperStream/400 の科目体系は設定の自由度が高く、いろいろな体系の設定ができますので、かような科目体系も問題なく実装することができます。

それぞれの科目をどのように集計するのかという科目体系の構築と、その表示順をどうするのかという設定も、それぞれ独立して行なうことができますので、この場合は、流動資産と固定資産のかたまり毎、表示順を変更することにより対応しました。(科目の並びは変わっても、流動資産は流動資産ですし、固定資産は固定資産ですものね、)

そしてまた今回は、自社製品として取扱いをしながらも、その設定の自由度の高さに、改めて、少し感心した次第でした。

以上、世の中には、こんな科目体系もあるのですよ、というお話しでしたが、皆さんはご存知でしたか?

やはり事業として、何より固定資産が大事なので、体系の先頭ということなのでしょうか?、その固定資産も、土地・建物とういう分類よりも上位に、製造設備とか供給設備とかの分類があるというのも、ちょっと新鮮に思いました。

いかがでしょうか?、そんなの当たりまえだよ、だったでしょうか?

ちなみに、電気も、電気事業会計規則というものがあり、似たような科目体系の別表1がありますので、宜しければ、一度ご確認ください。

具体的にどのように設定を行なったかについては、宜しければお問い合わせいただければと思います。

T@NESCOSS 記)

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会計コラム 「消費税の増税と会計システム」

今回のテーマは消費税です。といっても、消費税についてはさまざまな留意点があり、すでに今年度から適用されている95%ルールについては、メルマガ第9号(会計コラム 2012/5/31掲載)で記載しています。そこで今回は、『消費税の増税と会計システム』という視点でコメント致します。
まず、このたびの消費税及び地方消費税は、次のような改正になりました。

これにより、たとえば販売管理システムにおける価格設定や代金の請求について、すでにお困りかもしれません。請求書を作成するときに、5%の消費税等を加えるのか、8%の消費税等を加えるのか、システムを改修するほか、担当者に確認作業等の注意を呼びかける手配をしておくなど、事前の配慮が必要です。

同様に、注意しなければならないのが会計システムです。多くの会計システムでは、伝票作成時の入力は、「税込」であることが多いはずです。
たとえば、単純な例であるが、1,050円の事務用品の請求書・領収書を見て、わざわざ「事務用品費1,000円、仮払消費税50円」と入力することはないでしょう。
普通は、「事務用品費1,050円」と入力すると、自動的に「事務用品費1,000円、仮払消費税50円」にシステム内で分けてくれるはずです。
もちろん、このような自動処理の背景には、勘定科目の設定として、「事務用品費は、5%の消費税等がかかっていて、消費税率が5%であるとして税抜きの金額に直す」ということになっているわけです。
そうすると、当然ですが、税率が8%になった場合、その設定を変更する必要があります。

問題は、その設定変更を「誰がいつ行うか」です。
単純な話ですが、3月の取引をすべて3月中に入力できるのであれば、4月1日に設定を変えれば良いのでしょう。
しかし、通常はそうではないはずです。
特に、決算整理がからむ場合はなおさらです。
拠点が複数あって、本部経理だけでなく各拠点において伝票入力まで行う体制の場合は、「いつから設定が変わるのか」を十分に周知していないと
「税込みでは合っているが、税抜き金額にしてみたら間違っている」
という事態が起きてしまいます。
それから、これに関連してもう一つ注意しなければならないのが経過措置です。
今回、消費税等の解説の附則で、さまざまな経過措置が定められています。
主なものを挙げると、
◆ 旅客運賃等
◆ 電気、ガス、水道料金等
◆ 請負に係る契約
◆ 資産の貸付けに係る契約
◆ サービス(役務)提供の予約に係る契約
◆ 延払基準を適用する長期割賦販売等
などがあります。(これ以外にもありますが....)
これらの経過措置は、簡単に言えば、
「単純に平成26年4月1日や平成27年10月1日で区切るのではありません」
というルールです。

たとえば、平成26年4月1日以後であっても
「あ、これは5%だ」
という取引がちらほらあるということです。
この場合、「1つの勘定科目について、1つの消費税の設定ではダメ」ということになり、取引に応じて変更しなければならないということになります。
システムの設定は単純です。
消費税の扱いを選択できるようにしておけば良いというだけだからです。
しかし、実際のオペレーションは単純ではりません。
取引を見て、消費税をどうするか判断して、伝票を作成しなければならないからです。
もちろん、このような例はすでにいくつもあります。
単純な例を挙げると 「(複利)厚生費」という勘定科目は、多くの場合課税仕入れですが、「めでたく結婚した従業員にご祝儀をあげた」という場合、課税仕入れではありません。現実に、補助科目ごとに課税仕入れかどうかの設定を変えている企業も多くありますが、当然、「どの補助科目を使うか」はシステムではなく人間が判断することです。

このように、「人間が判断すること」が一時的に増加することになるわけですから、やはり事前にマニュアル化して準備しておく必要があります。
なんだか面倒な話が多くなってしまいましたが、時間的にはまだ余裕がありますから、ぜひ丁寧な準備をしておくことをお勧めします。

公認会計士・税理士 清松 敏雄

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会計コラム 「キャッシュ・フロー情報の活用」

最近、キャッシュ・フロー情報についての再検討をされている企業が多くなってきています。
といっても、開示される(連結)キャッシュ・フロー計算書そのものの変更ではありません。
管理会計情報として、キャッシュ・フロー情報を使えないかという議論が再燃しているのです。
現状、キャッシュ・フロー計算書の情報は、単に「開示用」に用いられるのみであり、「管理用」(経営用)にも用いている企業はそう多くありません。非上場企業であれば、「開示用」のキャッシュ・フロー計算書がそもそも求められていないために、キャッシュ・フロー計算書を作成していないというケースも多くあります。
しかし、巷で「財務3表」という表現がはやる通り、貸借対照表・損益計算書と並んで、キャッシュ・フロー情報は重要な情報です。「キャッシュ・フローが潤沢でなければ企業の存続すら危うい」という意見をよく聞きますが、それは少々オーバーな表現であるとしても、キャッシュ・フローが潤沢でなければ次のアクションの制約が増えるのみです。
最近、内部統制やコンプライアンスなど「企業活動の制約」は増える一方ですが、最大の制約になるのは、キャッシュの欠乏です。
キャッシュは企業にとって「武器」になるとともに「制約」にもなるものですから、キャッシュ・フロー情報が重要になるのは当然でしょう。
このような動向を受けて、キャッシュ・フロー情報の活用に話を進めたいところではありますが、「ふつうの説明」では物足りないかもしれません。そこで、今回は今までとはうって変わってクイズ形式です。
まず、次のJ社の2012年3月期の決算データをご覧ください。

さて、このデータから「予想されること」として正しいものはどれでしょうか。
① 今後、減価償却費が増加し、利益を圧迫する可能性が高い。
② 今後、支払利息が増加し、利益を圧迫する可能性が高い。
③ 将来的には、法人税等の負担が増加する可能性が高い。
④ 当期は投資有価証券の益出し・売却収入が多く、今後はそのような余力がないため、利益やキャッシュ・フローが減少する可能性が高い。
⑤ 当期は多額の補助金の受け取りがあるが、今後はそのような補助金は見込まれないため、利益やキャッシュ・フローが減少する可能性が高い。

少々簡単過ぎたでしょうか。お気づきかもしれませんが、今回確認して頂きたかったのは、「将来への影響の確認」です。データの中に、営業活動によるキャッシュ・フローの具体的な内訳や、連結貸借対照表の情報があれば、さらに運転資本に関する分析も可能です。基本的に、過去実績の情報を作成するのが財務会計の役割ですが、経営情報という意味で、キャッシュ・フロー情報を見直していただければと思います。

※ クイズの解答
① 正しい。
投資活動によるキャッシュ・フローが大きくマイナスの場合、設備投資が行われていることが予想できます。もちろん、現金同等物に該当しない定期預金の預け入れや、投資有価証券の取得など、他の可能性も考えられますが、設備投資が行われているのであれば、減価償却費が増加する可能性が高いと考えられます。

② 誤り。
財務活動によるキャッシュ・フローが大きくマイナスの場合、借入金を返済していることが予想できます。もちろん、配当金の支払いによってマイナスになることもありますが、借入金の返済が大きいなら、将来の支払利息は減少することになります。

③ 正しい。
(連結)損益計算書の税金等調整前当期純利益と当期純利益がそれほどかわっておらず、また、(連結)キャッシュ・フロー計算書において、小計欄の額と営業活動によるキャッシュ・フローも大差ありません。これは、税金が小さいことを示している可能性が高く、繰越欠損金があるなどの理由により、当期の税負担が小さいことを示しています(同時に、繰延税金資産を認識できない状態にあることも予想されます)。将来的に、繰越欠損金がなくなる等の理由により、税負担は増大することが予想されます。

④ 誤り。
特別利益が大きくないと予想されること、それから、投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスであること(厳密には、特別利益の内訳や投資活動によるキャッシュ・フローの内訳の情報が必要です)から、投資有価証券の売却益や売却収入は小さいものと予想されます。

⑤ 誤り。
(連結)キャッシュ・フロー計算書の小計欄の金額と営業活動によるキャッシュ・フローがそれほど変わらないことから、法人税等の支払額が小さいか、あるいは、何らかの臨時的な収入があることが予想されます。しかし、(連結)損益計算書の特別利益が小さいと予想される(こちらも、厳密には内訳の情報が必要です)ことから、補助金による特別利益・収入額が大きい可能性は低いと考えられます。

なお、④と⑤については、自社のことであれば、このような推測をしなくとも容易に把握可能と思われます。ただし、連結グループではどうでしょうか。子会社が多い場合など、連結ベースでの数字の把握は意外に難しいものです。
今回の例はシンプルなものではありますが、連結ベースでも個別ベースでも、「数字の予想」は経営者・管理者に必要な能力です。経理部の方々だけが理解可能というのではなく、多くの経営者・管理者の方々に慣れて頂きたい内容です。

公認会計士・税理士 清松 敏雄

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会計コラム 「95%ルール」の適用要件の見直し(消費税法の改正)

今回は、いわゆる「95%ルール」の適用要件の見直しについてまとめてみます。
これをテーマとした書籍がすでに書店で書籍が販売されているように、詳細まで立ち入れば本1冊分のボリュームがありますので、今回は基礎となる内容を述べていきます。

1.消費税の仕入税額控除制度の概要

消費税は、原則としてモノやサービスを国内で販売した場合に課税されるものです。しかし、単純に課税してしまうと国や地方自治体は消費税・地方消費税を二重・三重に受け取ってしまうことになります。たとえば、メーカー(A社)が小売り(B社)にモノを63円(3円が消費税等)で販売し、小売りが消費者に105円(5円が消費税等)で販売すると、1つのモノの販売から8円(3円+5円)の消費税等を徴収していることになってしまいます。このため、B社の消費税等を計算するにあたっては、「5円-3円=2円」だけを納付するようにします。このように、仕入にかかった消費税等3円を販売により受け取った消費税等からマイナスすることを、仕入税額控除といいます。

一方で、仮にB社の販売が非課税売上であり、消費税等がかからなければ、A社が3円の消費税等を納付するだけであり、B社において「-3円」という計算を行う必要がありません。つまり、仕入税額控除は、課税売上に対応する消費税額のみが対象であり、非課税売上に対応する消費税等は対象とはなりません。

とすると、これを丁寧に計算するには、企業側で個々の課税仕入れ等に係る消費税額について、それが課税売上に対応するものなのか、それとも非課税売上に対応するものなのかを逐一把握する必要が生じます。これは非常に煩雑ですし、多くの企業においては、非課税売上に対応する課税仕入れは非常に少ないことが通常です。

そこで、従来、課税売上割合が95%以上である場合には、上記のように課税仕入れ等に係る消費税額を分類して把握せずに、全額を仕入税額控除の対象とすることができるとされてきました。

しかし、平成24年4月1日以後開始する課税期間(1年間で、事業年度と等しいものとします)から、少々取り扱いが変わります。課税売上割合が95%以上であっても、その期間の課税売上高が5億円超であれば、課税売上割合が95%未満の会社と同様の取り扱いをしなければならないのです。すなわち、上記のように個々の課税仕入れ等に係る消費税額について、それが課税売上に対応するものなのか、それとも非課税売上に対応するものなのかを逐一把握する方法(個別対応方式)か、あるいは概算で計算する方法(一括比例配分方式)のどちらかを使うことになります。

注意点は、「その期間の」課税売上高が5億円超かどうかで判断すること(過去の期間ではありません)、5億円というのは単なる売上合計ではなく、課税売上高の金額(税抜き)であることです。特に、売上が急速に伸びている企業では、昨年までは課税売上高が4億円しかなくとも、当期には5億円を超えるということもあるはずですから、注意が必要です。

2.個別対応方式と一括比例配分方式

(1) 個別対応方式

個別対応方式を採用する場合には、個々の課税仕入れ等のすべてについて、
①課税売上対応分
②非課税売上対応分
③共通対応分
の3つの区分に分類していなければなりません。その上で、仕入控除できる税額は、

[課税売上対応分に係る消費税額]+[共通対応分に係る消費税額] × [課税売上割合]

という計算で算出します。趣旨からすれば当然なのですが、②の非課税売上対応分は控除の対象とはなりません。また、③の共通対応分も、完全には課税売上に対応するものでない以上、一部だけが控除の対象となります。

このように、個別対応方式では、個々の取引の分類が生命線になりますが、この分類は取引ごとに行う必要があります。ただし、事業部門ごとの業務内容がはっきり区分されている場合には、部門別の計算を利用することが可能です。たとえば、課税売上となる製品の製造と出荷のみを行う工場等の部門のように「あの部門は課税売上しかない」という場合、その部門に関して行った課税仕入れ等はすべて課税売上対応分と判断することが可能なのです。なお、このような工場等であっても、若干の預金を保有しており、少額の受取利息(非課税売上)があることもあると思われますが、少額であれば、「あの部門は課税売上しかない」と実務的には解釈されます。これは、実質的に少額の交通費等の精算のみのために保有し、営業活動の中で獲得した預金は短期間のうちに本部(財務・経理部門など)に送金しているのであれば、本来的な管轄部門は本部(つまり、少額の預金を保有している部門ではない)とみることができるからです。

一方で、財務や経理部門の経費はどうなるかというと、共通対応分となります。仮に、財務や経理部門に係る収益が受取利息しかないと、一見、非課税売上対応分ではないかと思われるかもしれません。しかし、課税売上対応分とか非課税売上対応分というのは、その売上との対応関係が分かる場合を指しています。すなわち、間接部門であれば、どちらか一方と明確な対応関係があるとはいえないのが通常であるはずです。たとえば、間接部門で切手(通信費)を使っているとして、それは課税売上分の請求書送付に係る切手代かもしれませんし、税務署への書類の送付に係る切手代もあるかもしれません。つまり、間接部門は、通常、間接的には課税売上の獲得に貢献する経費を使っている一方で、その他の活動として経費を使っていることもあるはずです。このため、このような部門の課税仕入れは共通対応分となるのです。

(2) 一括比例配分方式

一括比例配分方式のもとでは、仕入控除できる税額は

[課税仕入れ等に係る消費税額の合計額] × [課税売上割合]

という計算で算出します。計算方法は一括比例配分方式の方が単純ですので、事務負担という意味では一括比例配分方式がおすすめではあります。しかし、多くの場合、個別対応方式の方が税金の負担は少なくなるといわれています。事務負担と税金の負担のどちらを重くみるかが判断の分かれ目になりそうです。

公認会計士・税理士 清松 敏雄

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会計コラム 税効果会計に用いる実効税率と繰延税金資産

今回は、決算対策の一環として、税率変更の影響についてコメントします。

平成23年12月2日に、改正税法が公布され、法人税率の低減等が確定しました。これにより、平成24年4月1日以降、中小法人以外の法人税率は25.5%に引き下げられますが、その一方で、復興法人特別税により、税額が10%上乗せされ、実質的に28.05%の法人税率になります。なお、復興法人特別税については、住民税には影響しません。


では次に、税効果会計で用いる税率について確認しましょう。

従来、実効税率は次のように算定してきました。

たとえば、東京都の場合、外形標準課税法人であれば、と計算されていたのです。

これに対し、上記のような税制改正を受け、平成24年4月1日以降3年間の実効税率は次のように算定することになります。

たとえば、東京都の場合、外形標準課税法人であれば、と算定されるわけです。
もちろん、平成27年度以降は、もとの算式に戻りますので、たとえば、東京都の場合、外形標準課税法人であれば、
と算定されます。

次に、確認していただきたいのは、

◇ 実際の税金の計算は、その年度(当期)の税率を用いる
◇ 税効果の計算は、一時差異の解消が見込まれる期の税率を用いる

ことです。
ですから、2012年3月期であれば、実際の申告書の作成にあたっては、今回の税率の改正は考慮しないのに対し、税効果会計の処理にあたっては、税率の改正は考慮することになります。しかもこの際に注意すべきは、「『一時差異の解消が見込まれる期』はいつか」という点です。上記のように、将来の実効税率は、復興特別法人税がある期間とその後によって異なるからです。これにより、一つ一つの一時差異を精査し、その解消が見込まれる期を見極め、その上で用いる実効税率を決めるというマメな作業が必要になったのです。

公認会計士・税理士 清松 敏雄

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