会計コラム IFRS到来 第1回:不思議の国ニッポン?

 今年もプロ野球が開幕しました。有名選手の活躍も気になりますが、今年から「ツーボール・ツーストライク」というように、ボールを先に言っているのをご存じですか?
変だとかわかりにくいという批判もあるようです。しかし、野球が盛んな国々でストライクを先に言う国はどれほどあったのでしょう?
世界中を調べたわけではありませんが、どうやら日本オリジナルだった可能性が高そうです。

 同じことが会計でも起こっています。日本の会計は、20世紀の半ばに急速に整備されましたが、その時のルールの名残が今でも残っています。
たとえば、日本では固定資産売却損益を特別損益にしています。
しかし、国際的には特別損益の範囲は非常に狭く、たとえばアメリカでは、洪水が数年に1度起こる地域では洪水による固定資産の損害は特別損失になりません。
数年に1度起こるなら、全然「特別」ではないという感覚です。ましてや、有形固定資産の売却損益はもっと頻繁に生じますので、当然のごとく経常利益に含めます。
このような発想は世界的には普通であり、特別項目が多いのは日本オリジナルも同然になっています。

世界の人々から見れば、「ニッポンの会計は不思議です」と言われかねない点はいくつもあった(そして今でもある)のです。

 このような問題を受け、わが国でもこの10数年の間に一気に会計基準の国際化を進めてきました。
いわゆるコンバージェンスです。
そしてついにIFRSをアドプション(採用)しようとしています。IFRSは外圧だとか黒船だとか言う人もいますが、世界から見て「変だ」となると、それは文化ではなく「悪しき慣行」と言われかねない時代です。

坂本龍馬のように世界に目を向けるべきか日本基準を守るかは難しい問題ですが、実務家としては坂本龍馬を目指すしかなさそうです。
次回は、世界中に広まりつつあるIFRSについて、財務諸表の表示や包括利益といった日本基準との相違点を述べていきます。

 公認会計士 清松 敏雄

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