会計コラム 税効果会計に用いる実効税率と繰延税金資産

今回は、決算対策の一環として、税率変更の影響についてコメントします。

平成23年12月2日に、改正税法が公布され、法人税率の低減等が確定しました。これにより、平成24年4月1日以降、中小法人以外の法人税率は25.5%に引き下げられますが、その一方で、復興法人特別税により、税額が10%上乗せされ、実質的に28.05%の法人税率になります。なお、復興法人特別税については、住民税には影響しません。


では次に、税効果会計で用いる税率について確認しましょう。

従来、実効税率は次のように算定してきました。

たとえば、東京都の場合、外形標準課税法人であれば、と計算されていたのです。

これに対し、上記のような税制改正を受け、平成24年4月1日以降3年間の実効税率は次のように算定することになります。

たとえば、東京都の場合、外形標準課税法人であれば、と算定されるわけです。
もちろん、平成27年度以降は、もとの算式に戻りますので、たとえば、東京都の場合、外形標準課税法人であれば、
と算定されます。

次に、確認していただきたいのは、

◇ 実際の税金の計算は、その年度(当期)の税率を用いる
◇ 税効果の計算は、一時差異の解消が見込まれる期の税率を用いる

ことです。
ですから、2012年3月期であれば、実際の申告書の作成にあたっては、今回の税率の改正は考慮しないのに対し、税効果会計の処理にあたっては、税率の改正は考慮することになります。しかもこの際に注意すべきは、「『一時差異の解消が見込まれる期』はいつか」という点です。上記のように、将来の実効税率は、復興特別法人税がある期間とその後によって異なるからです。これにより、一つ一つの一時差異を精査し、その解消が見込まれる期を見極め、その上で用いる実効税率を決めるというマメな作業が必要になったのです。

公認会計士・税理士 清松 敏雄

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